フェレットとげっ歯類他

フェレットの診療

十数年、フェレットの来院数が非常に多い病院で多くの症例を診て参りました。私自身犬や猫同様、非常に飼いやすく意思疎通が出来る動物と認識しております。犬猫同様にワクチン接種やフィラリアなどの寄生虫予防が必要となります。ワクチンは、ジステンパーのみの予防が可能ですが、国内にはフェレット専用ワクチンがありませんので、犬用ワクチンを代わりに接種します。
また、フィラリアが感染する例は稀ですが、少数寄生でも重症になる可能性がありますので併せて予防をお勧めします。
病気については、フェレット特有のものから犬や猫でも見られるものがあります。基本的な病気のアプローチは犬や猫と同様ですが、病気によっては解釈が異なるものもあります。犬や猫に比べ、発症後の病気の進行が速いと感じております。当院では犬猫同様に血液検査やレントゲンや超音波検査など検査を行うことが可能ですので、健康診断・病気の早期発見から診断を行う事が可能です。
治療については、今まで多種多様な治療方法を経験して参りましたのでオーナー様と相談の上決めていきたいと考えております。

げっ歯類の診療

近年、飼育されるげっ歯類も種類が増えてきました。つい数年前まで私自身ウサギやモルモット・ハムスターを飼育して参りました。中でもウサギの表情は1日中眺めていても飽きず、長年飼育していると以心伝心とまではいきませんがお互いの気持ちが通ずる錯覚さえ感じます。動物の中でも手がかからないと思いがちですが、実は非常に繊細でストレスを受けやすいのです。わずかな環境の変化を受ける事で体調が変化します。
また、げっ歯類特有の病気もありますので、時に他の動物とは異なる見方で診察する必要があります。げっ歯類は特に不調な時間が長ければ長いほど、元に戻るのに何倍もの時間がかかる為、異常を発見したら経過を見ずに早めに受診して頂くことをお勧めいたします。
当院ではウサギの去勢・不妊手術も行っております。モルモットやハムスターその他げっ歯類(チンチラ・デグー・リス)の診療も可能ですのでお気軽にご連絡下さい。
なお、来院される際、ウサギやモルモットは上が開くタイプのキャリー、ハムスター・チンチラ・デグー・リスは透明なケース(蓋付き)に入れた上に、入れ物を目隠しできるようにタオルや風呂敷などもご持参していただくと動物がより安心できます。

フェレットの予防医療

ワクチン

混合ワクチンフェレットが感染するウイルス疾患は何種類かありますが、その中でも予防可能なものがジステンパーウイルスです。このウイルスは、非常に致死率が高く発症した場合助かる確率は非常に低いものです。海外ではフェレットのジステンパーワクチンが流通していますが、国内では認められていない為犬用のワクチンを替わりに接種しています。以前はCANINE3(京都微研)というワクチンを接種していましたが製造中止の為、当院ではノビバックPUPPY DP(インターベット)を接種しています。
ジステンパーウイルスは、感染発症すると初期は風邪様症状で最終的には神経症状などが見られようになります。ワクチン接種は、毎年1回の接種が推奨されています。接種を希望される場合は、フェレットちゃんの一般状態(元気・食欲など)が良好であることが必要ですのでご注意下さい。また、ワクチン接種後もアレルギー反応(下痢・嘔吐・発熱・発赤など)が起こらないかよく観察が必要となります。

フェレットも犬や猫同様フィラリアに感染することが知られています。犬同様に心不全兆候が現れますが、血液検査による検出が困難な場合があります。したがって、検査をせず予防薬を処方します。予防期間は犬猫同様に5月から12月で、錠剤タイプ(フィラリア予防のみ)と滴下型タイプ(フィラリア予防とノミ予防他)を処方しています。

フェレットには稀ですがノミが寄生することがあります。お家の内外を行き来する他の動物に寄生して感染する場合や、外で散歩している際に寄生される場合があります。寄生されるとアレルギー性皮膚炎などの皮膚病を発症します。
また、ミミヒゼンダニ(通称:耳ダニ)の寄生が見つかる事もあります。これらの予防・駆虫は、フィラリア予防で使う滴下型タイプの外用薬で可能です。

去勢手術と避妊手術

ほとんどのフェレットは、既に去勢手術・避妊手術(共に肛門腺除去手術も)を受けています。ただ、ノーマルの個体も存在しており、特に雌は発情状態が持続すると女性ホルモンの影響で骨髄に影響が出るため、注射による発情回避か手術が必要になります。どちらの手術も、他の動物同様に全身麻酔で行う為術前検査(血液検査・レントゲン検査など)が必要になります。去勢手術は日帰り、避妊手術は1泊2日(状況により日帰り)となります。手術料金に関しては、検査の内容や有無によっても異なりますので、希望されるオーナー様は病院にお問い合わせ下さい。

ウサギの予防医療

健康診断

ウサギには犬・猫・フェレットのようなワクチン接種による病気の予防方法は我が国ではありません。ウイルスが原因で病気になる事は少ない動物ですが、特有の病気があるため年3~4回は来院してもらい視診・触診・聴診を行う事で異常の早期発見につながります。3歳〜4歳を超えてくると外見では解らない変化が出てきている場合があるため、血液検査やレントゲン検査や尿及び糞便検査などを行い異常の有無をチェックします。普段の微細な変化(食の変化、行動の変化、排泄の異常など)が病気の初期である可能性もあります。

外部寄生虫

マダニが寄生する事は稀ですが、ノミの寄生は多頭飼いの場合多く見られます。また、皮膚に寄生するダニとしてツメダニ(ウサギツメダニ)やヒゼンダニ(ウサギキュウセンヒゼンダニ)などが挙げられます。寄生すると大量の落屑(フケ)と重度の痒みや皮膚炎を引き起こします。
これらの予防・駆虫は滴下タイプの外用薬で行います。

去勢・避妊

去勢手術は、繁殖やマーキングの抑制、加齢により発生する精巣腫瘍などの発生を抑制するために行います。避妊手術は、ホルモンの不均衡から発生する子宮・卵巣疾患(子宮内膜症・卵巣腫瘍・子宮水腫など)や乳腺腫瘍の発生を抑制するために行います。手術は全身麻酔で行う為術前検査(状況により血液検査・レントゲン検査など)が必要になります。去勢手術・避妊手術共に日帰りとなります。手術料金に関しては、検査の内容や有無によっても異なりますので、希望されるオーナー様は病院にお問い合わせ下さい。