猫の診療

病気

近年、動物医療は人医療にはまだまだ追いつきませんが、日々進歩しております。新しい病気・検査や治療方法の確立、新薬の製造が次々にされています。最も重要なのは、飼い主様による愛犬・愛猫の日々の観察です。「食欲がない」、「元気がない」、「吐いている」、「下痢している」、「どこか痛そう」、「毛づやが悪い」、「脱毛している」、「ふらつく」など、症状はこの他にも無数にあります。

また、症状がわかりにくい場合もあります。一つの症状をとっても、考えられる病気は数多くあります。本来ならば、このようなサインを見逃さないようにしなければいけませんが、動物の場合会話が出来ない為より確定診断が難しいのです。病気によっては、症状や検査数値の変化が表面に現れた時には7割〜8割の病状が進行している場合も少なくはありません。当院では、問診・視診・触診・聴診を重要と考えており、次に必要に応じて検査(機器による)を行います。検査結果に基づいて診断・治療を行います。些細な情報でも、診断や治療に結びつきますので、遠慮なくお話し下さい。

病気の治療も大切ですが、日々の健康維持や病気の早期発見も必要です。年に1回程度の健康診断(血液検査・レントゲン・超音波・便検査・尿検査など)をお勧めしております。

猫の予防医療

ワクチン

3種混合ワクチン
猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症(3株)・猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)の3種類のウイルスを予防します。室内飼いで、他の猫ちゃんとの接触が少ない場合は基本3種混合ワクチンをお勧めしています。定期的な接種をすることで抗体が持続して、万が一感染しても軽症で済む場合もあります。

接種を希望される場合は、一般状態(元気・食欲など)が良好であることが必要ですのでご注意下さい。

また、ワクチン接種後にアレルギー反応(発熱・嘔吐・下痢・顔の腫れ・蕁麻疹)が起こらないか観察が必要です。外出する猫ちゃんの場合、猫白血病や猫エイズに感染する可能性があるため検査をしておくと安心です。これらの病気は、ワクチン(要相談)の接種で予防することも可能です。

フィラリア予防

猫のフィラリア症は、発症数としては少ないですが成虫に発育するケースと発育しないケースで症状が異なります。成虫に発育してしまうと心不全兆候が認められます。幼虫の場合、呼吸器症状(発咳や肺炎)や食欲不振・嘔吐や時に突然死を起こす場合もあります。犬のように、血液検査(抗原検査)のみでは検出が難しいため各種検査を組み合わせて診断します。予防方法は、5月から12月に毎月1回の外用薬(滴下型)塗布で行います。

ノミ・他の寄生虫

外出しない猫ちゃんには、寄生虫が寄生しないと思いがちですが、人の出入りで外から持ってきてしまう場合があります。また、多頭飼いで外出する猫ちゃんが同居している場合寄生する確率がより上昇します。近年、ノミに加えてダニの寄生も増えてきました。ノミは別の寄生虫(条虫)が体内に寄生している場合もあります。ダニは、人畜共通の伝染病(SFTS:重症熱性血小板症候群)を有している場合があるので合わせて定期的に予防をしておくことが大切です。当院では、滴下型タイプの予防薬を処方しています。

去勢手術と避妊手術

手術の目的は、繁殖・攻撃性・性行動の抑制やホルモンの影響を受けて発症する病気を抑制するためです。去勢手術はマーキングや攻撃性の抑制、避妊手術は、子宮・卵巣の病気(子宮蓄膿症・水腫や腫瘍など)の抑制、乳腺腫瘍の発生を抑制するために行います。乳腺腫瘍は、90%が悪性腫瘍のため早期に避妊手術をすることで発生率を抑えることができます。

手術は全身麻酔で行うため、術前検査を行ない異常がなければ希望日に実施します。去勢・避妊手術ともに日帰りとなります。手術料金は、検査の有無や内容によってもことなるため、希望されるオーナー様は病院にお問い合わせ下さい。

猫の去勢・不妊手術費用助成制度

大田区が手術費用の一部を助成する制度です。
飼い主さんがいる(または飼い主になる)場合と飼い主さんがいない(組織や団体)場合とに分けられます。いずれも(所有者、猫共に大田区在住でなければ制度を利用することはできません。

■飼い主さんがいる(または飼い主になる)場合、下記の金額が助成されます。
雄(去勢手術) :4000円/頭
雌(避妊手術) :8000円/頭
■飼い主さんがいない場合(組織や団体)
雄(去勢手術) :7000円/頭
雌(避妊手術) :14000円/ 頭

※飼い主さんのいない猫ちゃんに関しては、耳にV字カットを入れさせて頂くことが必須となります。

上記の値段が、手術料に再診料・検査料(手術当日検査のみ)・内服薬及び注射薬代他を合計した金額より差し引かれます。詳しくは、大田区のHPをご覧頂くか病院にお問い合わせ下さい。